皆様
事務局のOです。いよいよ週末に近づいてまいりました、第7回深論プロジェクト!
今回100枚ご用意していたチケットは完売いたしました!
多数のご応募ありがとうございます。
今回、参加申し込みができなかった方は大変申し訳ありませんが、また次回のご参加をお待ちしており
今回第二演題をご講演いただく土倉内科循環器クリニック院長の土倉潤一郎先生に独占インタビューを行いました!!
土倉先生、今回はご登壇ありがとうございます!それでは自己紹介をお願いします。
(土倉Dr)よろしくお願い致します!私は1年半前に父のクリニックを継承開業し、外来と訪問診療を並行してやっています。病院勤務時代に週一回、訪問診療を行っているクリニックへ勉強に行き、在宅専門医まで取得させて頂きました。在宅医療は外来診療とはまた違ったやりがいや面白さがあります。
貴院の在宅医療の特徴をお聞かせ願えますか?
心不全の特徴としては、末期状態においても専門的で積極的な治療が症状緩和に繋がるといった点があります。当院は私が循環器専門医であるため、カテコラミン点滴などを含めて在宅でも積極的に心不全を診ることができます。また、当院の特徴の一つに、多職種との情報共有としてICTを活用していることが挙げられると思います。現在の在宅医療ではまだまだICT化が遅れており、電話やファックスやノートが主な情報共有手段となっておりますが、それでは日々変化のある重症患者に対して在宅チーム全員がしっかりと把握して診ることができません。当院ではこのシステムを在宅患者全員に使用しており、関わっている多職種とリアルタイムに情報共有しております。
今回のケースの紹介、ディスカッションポイントについて教えてください。
今回の症例は、60代男性の拡張型心筋症、ドブタミン離脱困難の慢性心不全StageDでいわゆる心不全末期の状態です。本人の希望としては、「入院は絶対にしたくない。最期は自宅で死にたい。残りの人生が少ないのだから好きなものを食べたい。太く短くでよい。」といった内容でした。
本人の「好きなものを食べたい」という希望に沿いたい一方で、味の濃いものが好きなので、心不全が悪化する可能性がありました。過度な食事制限をせずに、かつ入院しないようにするためにはどうしたらよいか?といった点が1番目のディスカッションポイントになるかと思います。
その後心不全が悪化し、下腿浮腫が著明、浸出液も出現し、蜂窩織炎を合併しました。2番目のディスカッションポイントは、「入院はしたくない。自宅で最期を迎えたい」といった希望の中で、入院の有無について検討いたします。
非常に悩ましいケースですね…ありがとうございます。在宅での栄養指導について教えていただけますか?
ご自宅に管理栄養士が伺い、患者さんが食べている食事を直接味見して、指導することも可能です。味の好みは個人差がありますので、例えば塩分は減らしても、食べやすくする工夫もしてくださいます。今回は管理栄養士の岡田様にもお越し頂き、アドバイスを頂けると思います。
それは興味深いお話が伺えそうです!最後に一言お願いします。
心不全が癌と異なる点の一つに、「生活が増悪因子となる」があります。
特に人生の残り時間が短い末期患者には、症状緩和を行いつつ、患者の希望に可能な限り沿いたいと思いますが、食事に関しては相反することもあります。
例えば、癌末期では「食べたいものを食べたいだけ食べて良い」というスタイルですが、心不全では塩分過多がかえって苦痛症状に繋がる可能性があります。
入院ではなく在宅だと、より一層制限することが難しくなりますのでさまざまな工夫が必要です。
土倉先生ありがとうございました!
それではみなさん、土曜日の深論には気をつけてお越しください〜!
お会いできるのを楽しみにしています!